私が、ボーンブロスダイエットを指導していて、最も頻繁に受ける質問の一つは、
「あなたは普段、何を食べていますか?」です。
その時、私はこう答えるようにしています。
「何を食べるかは、さほど重要ではなく、むしろ何を避けるかを意識することが重要です!」
避けるべきものがわかれば、意思決定がより明確になります。
買い物の時間が減って、食事もおやつも、よりシンプルになります。
なぜなら選択肢が減って、シンプルな食材で食事が楽しめるようになるからです。
砂糖、特に白砂糖は、過去に何世紀にもわたって有害かが議論されてきました。
砂糖が体に良くないことを子たちに教えると、必ず返ってくる言葉があります。
「私たちにとって悪いものなのになぜこんなに砂糖がお店で売っているのか?」
とても的を得た質問だと思います。
「砂糖をとりすぎるといけないんだよ。」
と回答しますが、子供たちに理解できるように教えるのは至難の業です。
悲しいことに、日本では、適度に食べ物を楽しむと、太る食品が一般的になっています。
買い物中に、食品表示のラベルを見る時間を少しでもとったことはありますか?
企業は、ありとあらゆるものに砂糖を入れることに尽力しています。
世の中の食料の96%に含まれていると言われています。
塩辛い食べ物ですら砂糖が含まれているのです。
試しにキムチや塩辛などの塩辛い製品の表示ラベルを見てください。
なぜなんでしょうか?
それは、おいしいと感じるからです。
私たちの舌の先端は、甘い味に最も反応するようにできており、さらにそれを記憶している脳は、エネルギー源として砂糖がどうしても欲しくなります。
まさにそれが舌を誤解させているのです。
悲しいことに、この精製された砂糖には、ビタミンもミネラルもほとんど含まれておらず、脂肪燃焼もしなければ、脳のパフォーマンスを上げたり、ホルモン分泌などの生理機能の促進もしないのです。
悪いことに細胞レベルで炎症がおきて全く逆の効果を生みます。
先進国の個人が摂取するカロリーの多くは、砂糖から摂られているということを知っていますか?
砂糖は血液中の血糖値を急激に上げて、インシュリンを大量に分泌します。
それにより、脂肪が蓄積され体全体で炎症が起きます。
砂糖の摂取とインシュリンの上昇が老化を加速させ、アルツハイマー型認知症、筋萎縮性側索硬化症、網膜色素変性症などの変性疾患に繋がる環境を作ります。
砂糖は、複数の糖質で構成されており、単糖類、二糖類およびオリゴ糖が含まれています。
最も重要な単糖類は、グルコース、デキストロースとフルクトースです。
単糖類は、ほとんどの食品に少量含まれていますが、完熟フルーツやハチミツなどの食品に特に多く含まれます。
単糖類は、特にオリゴ糖や多糖類のような炭水化物の消化に時間がかかるときに、継続的にエネルギーの生成を行いエネルギー切れを起こさないよう補助する役割を担います。
つまりは、この単糖類が血糖値を急激に上げ、また急激に下げるのです。
その結果、エネルギーが一気に高まった後に、すぐに倦怠感や疲労感を感じ、体がふらつきやすくなっていきます。
このような血糖値の変化が頻繁に繰り返されると、体が血糖値の調整がうまくできなくなり、 低血糖(症)や糖尿病になります。
ほとんどの加工食品には、食品を美味しくするためにフルクトースやグルコースような単糖類が含まれます。
単糖類と多糖類では、消化と代謝の作用が異なります。
グルコースとデキストロースは、基本的に同じ構成の砂糖です。
加工食品をどうしても食べなければならない時に、これらが入っているかどうか見分けられるようになることが重要です。
これらの糖質が合わさるとスクロースという多糖類が形成されます。
スクロースは、よくある食卓の砂糖と同じで二糖類と言われます。
グルコースとフルクトースが合わさったものと考えてください。
一方で、 異性化糖は55%がフルクトースで、45%がグルコースだと言われています。
この異性化糖は、普通の砂糖よりも良くないと言われています。
なぜかというと、加熱され広範囲に加工されているからです。
急増する砂糖の消費量(アメリカの統計)
1700年代の人間が砂糖を摂取する年間平均量は2キロ程度だったと言われています。
1800年代には約8キロに増え、
1900年代には、約40キロに増え、
2009年の調べによると、70キロにまで膨らんだと言われています。
毎日、200グラムの砂糖を摂取していることになります。
西洋食が浸透した日本でもアメリカと同じ傾向だと思われます。
これらのほとんどが人工的に作られた不自然なもので、スクロースや異性化糖です。
フルクトース以外のほとんどの糖質は、摂取するとすぐに代謝が起き、グルコースに変換されます。
グルコースはインスリンホルモンによって細胞に取り込まれていきます。
このプロセスがスムーズに起こるには、細胞と体内に流れているインスリンが、頻繁に反応し合う時です。
お菓子類やジュースを過剰に食べたり、加工食品を頻繁に食べたり、さらにデスクワークだけで運動しない生活を送るとどうなるか?
慢性的にこのようなライフスタイルを送っていると、インスリン抵抗性というものが体に起こります。
インスリン抵抗性が生まれると、インスリンが出ていないと体が勘違いし、インスリンが大量に分泌され、必要以上のグルコースが脂肪細胞に貯め込まれます。
これが、肥満のもととなります。
血糖値とインスリンが高い状態が続くと、活性酸素や炎症が体の中で増加していきます。
また、砂糖を取ると微量栄養素も減っていきますので、砂糖は反栄養素と捉えられます。
砂糖を分解するには体内に貯蔵されている栄養素が使われるため、摂取した砂糖を分解する過程が体の栄養素を失わせるのです。
精製された砂糖を摂取し続けることの隠された本当の問題は、サトウキビから砂糖へ精製される過程にあります。
本来、砂糖は白くないのをご存知ですか?
砂糖が白くなっていく過程は、フランケンシュタインの改造を見るようにぞっとします。
私たちの細胞の微量栄養素を検査すると、たくさんの砂糖が食事に含まれていることが見てとれるそうです。
これにより、睡眠によって疲れを感じるようになったり、日中に元気が急になくなったりして、仕事のパフォーマンスを下げトラブルを発生させるミスを起こしてしまうのです。
血糖値とインスリン値上昇による主な問題
①免疫システムの不全の機能低下する。
②微量栄養素の減少する。
③ホルモンバランスの異常を起こし気分が不安定となる。
④細胞の水分が奪われ、体の電解質に必要なマグネシウムやカルシウム、カリウム、ナトリウムが失われ、細胞の死や筋肉の痙攣を招く。
⑤体内の亜鉛や銅などのミネラルが不足し、細胞がインスリンに過敏に反応し、インスリン抵抗性を招く。
⑥がん細胞の分裂、増殖を促し、腫瘍の成長を抑制させる機能及びがん細胞を死滅させる機能を低下させる。
⑦強い毒性を持ち、老化を進める原因物質AGEs(末糖化産物、後期糖化生成物)を生み出し細胞組織を壊す。
⑧からだのサビ取りとなるグルタチオン、ビタミンCとEなどの抗酸化物質が減少する。
⑨成長ホルモンが抑制され、コルチゾールの分泌が増加する。
⑩細胞内でのたんぱく質の合成が抑制され、骨や筋肉、関節の機能が低下する。骨粗鬆症や骨関節炎、筋力の低下を招く。
⑪悪い酵母やカンジタなどの寄生虫、病原性のバクテリアの成長を促進する。体内のバクテリアの減少を招き、腸や呼吸器、副鼻腔の炎症や感染症が起こりやすくなる。
⑫肥満、中性脂肪の増加、低比重リポたんぱく質の異常、コレステロール値の上昇、動脈硬化のリスクが上昇する。
⑬血中脳関門を開き、脳内のミネラルを減少させ、毒素や重金属が脳に蓄積しやすくなる。
⑭神経を破壊し、慢性的な痛みや神経症、目の病気、臓器の機能低下を促進する。
これらのことから、砂糖の過剰摂取がパフォーマンスに多大な影響を及ぼしていることがわかります。
多忙なエグゼクティブでも、働く母親でも誰でも、慢性的な炎症から体を遠ざけることが病気を予防し、生活の質をあげる最適な方法です。
なぜ食生活を美味しく保つ砂糖を諦めなければならないのか?
この疑問への回答は、いたってシンプルです。
反栄養素だからです。
砂糖を分解するには体に欠かせない栄養素を使わなければならず、それが結果的に体を栄養不足にするのです。
砂糖が、リーキーガットシンドロームや慢性的な疲労感、頭痛、脳の疲れ、むずむず脚症候群(RLS)などの主な原因となります。
砂糖はガンの格好のえさにもなります。
がん細胞は成長するためにエネルギーを必要とします。
それが砂糖なのです。
ガンの患者に出会ったら「まず砂糖をやめた方がよい」と伝えます。
現代社会では、砂糖が生活に溢れているので、我々は砂糖に鈍感になっています。
危険な調味料だとは全くみなさず、我々の生活に浸透しています。
過去20年間で肥満の子供が3倍に増えても気にせず、砂糖の消費量は変わりません。
かくいう私も、肥満児でした。
私たちが子供だった時代(昭和の時代)は、肥満児はクラスに一人ぐらいの割合でしたが、今ではクラスに4~5人もいます。
私のクライアントの方は、ほぼ全ての方に砂糖のデトックスプログラム受けて、エネルギーや肌、パフォーマンス、睡眠、気分などがすぐに改善されます。
「砂糖の過剰摂取とは何ですか?」といつも聞かれます。
私だって、好きな食事を取ることはあります。
週に1回は、家族で美味しい食事をしたり、ブルーベリーを食べたりします。
それをいつも楽しんでいます。
ご褒美は必要です。
でも、必要な時はNoと言えるようにしましょう。
甘いものに目がない人は、健康的な食生活をしなければ、いつか大変なことになります。